2013年1月20日日曜日

サバティカル日記13 メルズーガ

  1月18日午後1時発のバスが3時間半遅れで出発し、夜中の23時半にメルズーガ着。マラケシュの混沌からワルザザードのだだっ広い混沌があって、メルズーガは星々の輝きで迎えられた。人は全然いない。
 1月19日、ダラダラと過ごす。午前中よく晴れ上がり、ホテルのテラスに出ると目の前に砂漠。そのまま砂漠へ行こうと思ったが、疲れが出ていたので、近くを歩くだけにする。そして午後から砂漠への旅を行おうと計画していた。

 午後になってみると天候は一変、砂嵐になり、何にも見えなくなってしまった。砂の中をそれでも歩きに歩いてみるが、凄まじい砂の威力に押され、まるで西部劇の閑散とした街のような通りを砂に紛れて歩き、寂しげなカフェに入って過ごし、また再び砂の中に出ていく。砂の中に突然、現れたのが、ベルベル人たちの墓。砂漠地帯の麓にその墓はあり、墓はちゃんと街を向いている。それを夢中でカメラに収めるが、もはや目を開けていられないほどになり、そのうち呼吸すら苦しくなってくるありさま。なるほど砂漠の民が頭と顔に布を捲いているのがよく分かった。僕はと言えば、そのまま寒い風を受けつつ、砂嵐の中で方向さえ分からなくなってしまうのが心地よくもあって、さらに惑うように歩く。砂の中に駱駝が数頭、ニュッと現れでた。駱駝たちはどうと言うこともないかの如く、悠然と砂嵐の中に立っている。

 砂の中でどんどん暗くなっていき、街灯に惹かれるように戻ってきて、再び寂しげなカフェに入る。そこで写した写真を見て、なんとなくパソコンに移したつもりで、データを消してしまった。まさに砂にやられていた。その側に、店員が巨大な角砂糖を持ってきて、飲み方を説明しているが何を言われているのか、サッパリ分からない。

 戻ってきて、ホテルオーナーの料理を食う。これが美味かった。モロッコに入って一番美味いタジンであった。とにかくすべてが美味かった。朝も素晴らしかったし、この値段にしては驚くべき味であった。

 1月20日。今日は嵐が嘘のような日。スッキリと晴れてはいないがぼんやりと晴れていた。駱駝に乗って、サハラへと入った。


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