1/4 夕方 マドリッドにて
昨日は、ルーブル美術館に行き、50分も並んで中に入り、4時間 近く見て回った。
昔の印象はまったくなくなっていた。記憶が抜け落ちているかの如 く、何にも覚えていない。見たはずなのだが、何にもない。あまり に圧倒させられる量にフラット化したのだろうか。物量が多すぎる というのは決して良いわけではない。とにかく見て回ることが目的 化してしまいがちだ。あれだけの量があれば、じっくり一点を見つ めることはできにくい。小さな美術館でさえそうなのだから、ルー ブルになればもう見て回るだけ。エジプト、オリエント、ギリシア 、ローマ……このあたりの創造物を除けば、あとはキリストのオン パレードになる。圧倒させられるキリストの物量。いかに強烈にヨ ーロッパがキリスト教と共に生きているかは、毎度のことだが美術 品を見る度にそう思う。旅をしても同じ。結局、キリストだ。キリ スト教は選民思想もあるから、当然の如くヨーロッパ第一主義が根本的な思想になっていく。僕がヨ ーロッパを横目でしか見ることができないのは、やはりこの思想に ある。もちろんそんなに単純に言い切っていいわけではない。だが 、実際にいろいろなことに接する度にそれを感じるのだから仕方が ない。
ルーブルが昔と違って圧倒的に面白かったのは、エジプトであった 。さまざまな半獣半人像があって、それが非常に面白かった。かつ 、土偶のような置物もあれば棺桶も多様に陳列されている。今でも サブカル的に半獣半人は描かれるが、そもそも現状況に対しての行 き場のなさが、こうした半獣半人に現れてくるのだろう。
これがギリシア、ローマになってくると、半獣半人は激減する。民 間伝承等では獣人はどこでも描かれてきたわけだから、ギリシア、 ローマでもないわけはない。でもこれほど面白いテーマが消えてい ったのはどうしてなのだろう。
と、そんなこんなで、4時間見て、空港に向かい、マドリッド入り は夜の22時半。中心地に出る。パリとは雰囲気はずいぶん違って 、パリよりもスッと開放感が増す感じ。
マドリッドの町を歩き、バルを覗き、ホテルを探すがなかなか見つ からず。こんな時間なのに閉まっている店はない。レストランでも だいたい24時近くまではやっている。
疲れ切ってホテルに辿り着くが、あまりに腹が減ったので一番近く の店に飛び込むとピザ屋だった。でもこれがうまい。赤ワインも頼 んだが、水より安い。一杯の赤ワインが1.8ユーロ。水が2ユー ロだかんね。
翌朝、というか今朝。ぐったりしながら起き出す。どうしようか、 一応、観光でもしようか、と町中に出て、カフェで朝食。オレンジ ジュースとイベリコ豚とチーズを挟んだパン、それから珈琲ウィズ ミルク。どれもビックリするほど美味い。これで3.6ユーロ。日 本円に直すと安くはないが、でもこちらでは他の物価を考えるとか なり安い。
ブラブラ町を歩く。まあ、面白い。が、所詮はヨーロッパだ。だん だん飽きてくる。まだ早いよと言われそうだが、ヨーロッパは基本 は一緒だ。王宮に行ってみる。ゴテゴテした内装で、どこかしら血 塗られた感触があるが、ここでずっと過ごした王たちはどんな思い で過ごしたのかと思う。なぜなら、空間が全体に不気味だからだ。 しかし、不気味空間に嵌っているかのように、警備員たちの目つき がなかなか鋭い。そして威圧的な態度でいる。この人たちは一体ど うやって選ばれているのだろう。あるいはこの空間に入るとそうい う目つきになるのかも知れないと感じた。
巨大バルがあって、そこに入ってみると、どれもこれも美味そうで 、海鮮物もぎっしりと並んでいる。しかし、疲れ切ってしまってい たので、とてもじゃないが立って食う元気がない。だが、スペイン の飯は美味そうだ。文化混淆の素敵さがそこかしこから匂ってくる 。
結局、カフェに入り、カフェの昼定食を食いながら書いている次第 。昼定食と言ってももう16時を過ぎている。けれどこちらの連中 は朝はホントに静か。誰もいない。朝9時くらいにならないと明る くならないし。
昨日は、ルーブル美術館に行き、50分も並んで中に入り、4時間
昔の印象はまったくなくなっていた。記憶が抜け落ちているかの如
ルーブルが昔と違って圧倒的に面白かったのは、エジプトであった
これがギリシア、ローマになってくると、半獣半人は激減する。民
と、そんなこんなで、4時間見て、空港に向かい、マドリッド入り
マドリッドの町を歩き、バルを覗き、ホテルを探すがなかなか見つ
疲れ切ってホテルに辿り着くが、あまりに腹が減ったので一番近く
翌朝、というか今朝。ぐったりしながら起き出す。どうしようか、
ブラブラ町を歩く。まあ、面白い。が、所詮はヨーロッパだ。だん
巨大バルがあって、そこに入ってみると、どれもこれも美味そうで
結局、カフェに入り、カフェの昼定食を食いながら書いている次第
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