1/6 コルドバにて 夜9時
バスが途中で故障し、代車待ちとなって、2時間近くも待たされた 。お陰でコルドバ入りは15時半を過ぎてしまった。6時間半も掛 かった計算になる。多くの乗客も運転手も英語ができず、さて、ど うなっているのかサッパリ分からないような状態だった。こういう ときは勘に頼るしかない。勘で動く。
スペイン語の勉強をして、スペイン語圏で演出して欲しいと頼まれ たこともあったけれど、やはり言葉は若いときに馴染まないとダメ だ。多様な言語を知るには、実は二つ以上の言語を聞いて育つのが 良いのだろうと思う。二つの言葉があることで、耳に余地が生まれ 、それ以上でもすらすら入って来やすいのではないか。聴覚が育つ のだと思う。聴覚は原初性を持っているから、その原初的感覚を保 持している間に耳に馴染ませるのが良い。と言っても、もう私のこ の年になってしまうと厳しいことは間違いない。
バスターミナルに着いて見渡すとインフォメーションセンターは閉まっている。少なくとも地 図くらいは手に入れねば、と駅で聞いてみる。小さな地図を渡され る。今日のホテルは昨夜のうちにブッキングしておいて良かった。 インフォメーションが開いていないと辛い。ここコルドバには二泊 することにしたのだった。グラナダとどちらへ行こうかと迷い、コ ルドバにした。両方を選択しても良いのだが、その場合は一泊ずつ になる。一泊だと結局、移動し続ける感覚になってしまうので、せ めて二泊。ならば静かな雰囲気のあるコルドバへ。
昨日までのホテルはホテルというよりもホステル。安宿に泊まって いたわけだが、今日はホテルにした。昨日までに比べるとかなり豪 華な感じ。そして町歩きに出てみる。マドリッドやパリよりも僕は ずっと好きだな。もちろんトレドよりも良い。瞬間、メキシコのグ アナファトを思い出した。ユダヤ人街だというので、グアナファト とはずいぶん違うはずだが。感触としては、アジアで言えば、ペナ ンやマラッカのような感触と言えばいいか。ペナンもマラッカもゆ っくりと滞在したい街だ。何があるわけでもない。ここは寒いので (と言っても夏は暑くなるそうだ)、ペナンやマラッカのようなわ けにはいかないが、やはりゆったりと時間が流れている感じがある 。いろいろな文化が混じり合って、それが溶けて時間の中に染み出 るように残っている街。それがコルドバだ。
バスが途中で故障し、代車待ちとなって、2時間近くも待たされた
スペイン語の勉強をして、スペイン語圏で演出して欲しいと頼まれ
バスターミナルに着いて見渡すとインフォメーションセンターは閉まっている。少なくとも地
昨日までのホテルはホテルというよりもホステル。安宿に泊まって
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